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激闘 東太平洋海戦2 谷甲州

 たった5隻の無敵艦隊。昔そんなゲームがあったそうな。
 第三水雷戦隊の仕事はその名に値するものだった。サウスダコタ級2隻を主力とする強力な水上部隊を水雷戦力で完膚なきまでに叩きのめした。演習でこの結果が出たら審判が吊るし上げられるんじゃないか?それくらいの完勝だった。なにせ5隻は何だかんだいって一隻も沈んでいないのだ。月光によるラッキーヒットで戦艦の一方が舵を損傷していたとはいえ、この結果は凄まじい。行動そのものに無理があるわけではなく、史実とは異なるレーダー技術の向上と酸素魚雷、日本海軍の戦技が最高のかみあわせをみせたことがこの結果をもたらした。
 もし、あの夜戦がなければ艦砲射撃が実施され、さしもの蓮美大佐も抵抗を続けさせることが困難になっていただろう。すでにここがひとつの大きな転換点だったかもしれない。サウスダコタ級を比叡・霧島のように扱わなければならない米海軍の事情も複雑だ。旧式戦艦の数で押していれば水雷戦隊の抵抗を揉み潰せたはずなのだが、戦力が拮抗しているために陽動をいかせる高速戦艦しか戦場に投入出来ていない。微妙なバランスの元で攻撃を選択し、結果として微妙なバランスを続ける破目に陥っている。
 日本海軍がよく敵を漸減しているともいえる。

 大規模な戦いになるとバタバタ落とされるが、少数機での抵抗になると異常な戦果をみせるのが谷甲州世界の兵士たち。落とされにくさは撃墜率が変化しないことで説明できなくもない。100機の3割が落とされれば被害は33機だが、3機の3割が落とされても被害は1機にとどまるのだ。
 それだけランチェスター法則の及ばない、各個撃破の戦闘ができているわけでもある。
 次はいよいよ上陸してくる米軍と日本軍、海兵隊同士の戦いがはじまる。

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激闘 東太平洋海戦〈2〉―覇者の戦塵1943
激闘 東太平洋海戦〈2〉―覇者の戦塵1943
谷 甲州
カテゴリ:架空戦記小説 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0)

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