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南海蒼空戦記1〜「極東封鎖海域」 横山信義

 ドイツとソビエト連邦のラッパロ条約が結ばれなかった世界。かわりに日本とドイツの間に横浜で秘密条約がむすばれて、北海道の千歳で航空機をはじめとする兵器の研究がおこなわれていた。
 しかも、ナチスドイツの成立に不満をもった技術者の一部が日本に残って兵器の開発をつづけたから、なかなか頼もしいことになる。クルト・タンクにエルンスト・ハインケルと名前がでているのは錚々たる面々だ。
 ラッパロ条約がなかった影響なのか、ソ連がドイツ軍の攻撃を受け止めるのに失敗して、レニングラードやモスクワを失陥しているのも大きい。

 こんな状況で日本とアメリカの一騎打ちとなる戦争がはじまる。戦いは自然と航空戦になることを宿命づけられている。
 日中戦争がおこなわれていないから、日本の陸海軍も航空兵の練度が特別に高くはないようで、ドイツ技術の果実を収穫しきっていない段階では、なかなかの苦戦に追い込まれている。

 でも、もっとも印象に残ったのはアメリカ海軍のボルティモア級重巡洋艦が活躍するルソン島沖海戦だった。魚雷の先制攻撃が失敗していたらワンサイドゲームに持ち込まれかねなかった。
 二回目の魚雷攻撃はタイミングを掴めなかったのだろうか。隠密雷撃で次発装填の時間が稼げただけにもったいなく感じた。とりあえず護衛空母4隻が無事でよかったな。蘭印への補給線を守るために護衛空母が重要になるのは明らかだ。航空機輸送の需要も大きいはず。

関連書評
日本海軍巡洋艦VS米海軍巡洋艦 ガダルカナル1942 マーク・スティル/宮永忠将
Fw190シュトゥルムボックVS.B-17フライング・フォートレス ロバート・フォーサイス

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南海蒼空戦記 - 極東封鎖海域 (C・NOVELS)
南海蒼空戦記 - 極東封鎖海域 (C・NOVELS)
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