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ダンピール海峡航空戦・上 谷甲州

 ダンピール海峡をこえてブナに航空基地を建設する話。地味な輸送が主体だが裏では航空撃滅戦が展開されている。その推移には秋津中佐ならずとも不満があって、どうせやるなら輸送船団に空母機動部隊をつけてガダルカナル島に渡洋上陸作戦をやれと言いタイ。各務大佐も大胆な言動をするようでいて中途半端に気が引けているところがいかにも小物。兵に後ろから撃たれたときに死んでればよかったのに……。
 あまり連中のことを考えると欝なので覇者の戦塵世界生え抜きの秋津中佐に萌えておこう。彼はシリーズの最初から(当時は少尉だったか)活躍していて、ついにここまで成長したかと我が子をみるような感慨がある。この世界が育んだ覇者、秋津中佐と谷甲州世界の覇者、蓮美大佐の対決がラストにありそうな気がするよ。そして今度は秋津中佐が出張キャラに。
 陣内少佐はダンテ隊長のにおいがするから秋津中佐とはちょっと違う。小早川中佐は覇者の戦塵世界らしいけど蓮美大佐に海兵隊をぶんどられた感じがする……。ところで野上少佐の言動が不安定なんだが――東太平洋海戦のときはワスプの乗員殺傷を進めていたのに、日本軍が同じ事をやられて憤っている。「武士の情け」バーロー(笑)だった少佐はどこへいったの?思考の順番が逆なら心情の変化として受け容れやすかったかな。

 山本五十六長官があっけなく史実どおりに死んでいたけど、古賀峯一長官になっても大きな変化はないだろうな。全体的に上層部の扱いが小さくて中堅による方針の綱引きが歴史を動かしている描き方だから。
 それにしてもこの世界の将兵は防御戦になると異常な粘り強さを発揮する。秋津中佐のみている光明に期待しよう。

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ダンピール海峡航空戦〈上〉―覇者の戦塵1943
ダンピール海峡航空戦〈上〉―覇者の戦塵1943
谷 甲州
カテゴリ:架空戦記小説 | 11:00 | comments(0) | trackbacks(0)

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