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[ビジュアル詳解]太平洋戦争海戦全史 歴史群像シリーズ

 真珠湾奇襲作戦から大和の水上特攻まで(大和が沈んだ後に本土防空戦と海上護衛戦のまとめもある)、大日本帝国海軍が経験した海戦を航路図入りで載せた一冊。
 ガダルカナルの戦いが終わった後で十分に先行きが暗いのに、まだまだページ数がたくさんある恐怖。水上戦でもレーダーの存在によって不利になっているのに本当に厳しい戦いの連続であり、戦力をすり減らしていく様子が痛々しかった。
 大本営レベルに対しては、平然と大損害のでている作戦を続行できる神経を疑った。ある程度は「必要な犠牲」として耐えるための訓練をしてきた影響かもしれないが、戦略的に必要な戦力を完全に無視して一つの作戦に入れ込んでいるように見えてしまう。
 有名なガダルカナルと個人的には良く知らなかったフィリピンへの輸送作戦が顕著だ。ニューギニアへの輸送作戦も損害が大きい。A-20とA-25の輸送船攻撃は本当に恐ろしい。

 海戦それぞれを見てると日米両方で操艦に失敗する場面がたびたび見られ、世界最高水準にあるはずの日米海軍でも混乱する実戦の現場での連携は難しかったのだと実感した。
 夕雲はなぜ反対側に舵を切ったのか。ガダルカナル島への輸送作戦では警戒艦になった駆逐艦が頻繁にやられている。新撰組の死番みたいな気分だったのかなぁ。

 他の本でも散々感じたが日本海軍の誇大な戦果報告がひどく、それを前提にする戦略すらねじ曲げてしまっていた(特に台湾沖航空戦での「勝利」に踊らされて発動されたフィリピンへの輸送作戦が地獄であった)。
 報告を無批判に信じるならばマリアナ海戦までは互角だと信じてしまっても無理はない。もう少し無線を利用した情報収集などが活きていればと思うが、やはり前線を離れるほど楽観主義が幅を利かせていたのか。

関連書評
日本海軍巡洋艦VS米海軍巡洋艦 ガダルカナル1942 マーク・スティル/宮永忠将
日本海軍空母VS米海軍空母 太平洋1942 マーク・スティル/待兼音二郎×上西昌弘

太平洋戦争海戦全史―ビジュアル詳解 (歴史群像シリーズ)
太平洋戦争海戦全史―ビジュアル詳解 (歴史群像シリーズ)
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