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美しい鉱物と宝石の事典 キンバリー・ライト 著/松田和也 訳

 ロイヤル・オンタリオ博物館名品コレクションと銘打ってあるように、ロイヤル・オンタリオ博物館の鉱物コレクションをメインに据えた鉱物・宝石図鑑。
 すさまじいクオリティの標本がこれでもかと飛び出してくるので、コレクターには目の毒である。一生かかっても同等のコレクションは揃えられそうにないから……標本はまだしも、ルースは本当に手の打ちようがない。
 蛍石や薔薇輝石のルースが美しすぎた。白鉛鉱の900カラット近いルース「砂漠の光」はファイアが強すぎておののくばかり。硫酸鉛鉱も当然のようにルースが載っていた。

 また、ちょっと聞き覚えのない鉱物も比較的おおく紹介されていた。しかも、レモンダイトのごときは美しいルースまで紹介されてしまっている。名前は人名由来なのでレモン色をしているわけではなく、鮮やかなオレンジ色である。
 さすがはカナダのトロントにある博物館というべきか、カナダ産の鉱物が非常に充実していた。やはり有名な産地といえばモン・サン・チラールだろうか。ここでしか産出しないが美しい鉱物が収録されている。どうにも手が届かない。

 説明文は比較的簡潔で、産地名の列記の方が長い鉱物も多いくらいだった。産地に注目しているとオーストラリアのブロークンヒルがとてつもない鉱山であることがわかる。地理的な分類からオーストラリアは最後に名前が出てくるので、印象がつきやすかった。
 鉱物名については有名なものよりも、ともかく和名で押しているところがあり、英名を読んで正体を理解する場合があった(むしろ化学組成で理解するべきか?)。ブロシャン銅鉱を水胆礬と書くのは初めてみた。

 また日本の産地が産出量の少なさから考えると、よく紹介されていた。これもプロとアマチュアによる熱心な探索の賜物か。しかし、ベニト石の産地は新潟県近江じゃなくて青海である。そんな細かい誤植に気づいた。
 ルースを筆頭に写真の配置がすばらしいと思っていたら、あとがきで山田英春氏が手がけていたことを知って妙に納得した。

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カテゴリ:地学 | 18:01 | comments(0) | trackbacks(0)

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