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馬―ウマやポニーの世界を探る― ジュリエット・クラットン=ブロック

 日本語版の監修は千葉幹夫氏。ビジュアル博物館の33号。
 ウマと近縁奇蹄類、ロバやシマウマなどを紹介する写真図鑑。野生種はどこでもピンチで、ウマに至っては野生種がいちど絶滅したうえに、後から脱走して野生化したウマでも危機に瀕している種がいる。
 オーストラリアのブランビーである。寄生虫が多く家畜にうつしかねない問題があるらしいが、コアラやカンガルーの大量殺戮をおこなうオーストラリア人の真骨頂と感じてしまった。

 南米で1万2千年前に滅亡したウマの一種ヒッピディオンはうまく生き残っていたらアメリカ先住民に機動力を提供した可能性があるのかなぁ。銃・病原菌・鉄を読んだ経験から、ついつい妄想してしまう。
 ラバやケッティの説明に出てきた雑種強勢の知識も興味深かった。個体としては強いけど繁殖力がないとは悩ましいなぁ。

 ウマの多彩な毛色についても当然ながら写真付きで説明してくれており、あし毛・連銭あし毛・パロミノ・栗毛・鹿毛・黒鹿毛・青毛・粕毛・河原毛・斑毛とたくさん紹介されている。それでもモンゴル人の語彙では極一部に違いない。

 女性の片鞍乗りが写真で紹介されているのも興味深かった。不安定で落ちやすそうに見えてしまうけれど、快適と感じていた女性もいたそうで……他の乗り方を許されなかったせいじゃないの?
 人間とウマの縁はモーターリゼーションが進行した程度では完全には断ち切られず、まだまだ続いていくことが確信できた。希少品種やロバの野生種など失うものは増えていってしまうかもしれないが……。

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クセノポーンの馬術・ポダイスキー ヨーロッパ馬術小史 荒木雄豪・編

馬 (ビジュアル博物館)
馬 (ビジュアル博物館)
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