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奈良時代MAP〜平城京編 新創社 編

 現在の地図と過去の地図を重ねて見ることができる時代MAPを収録した歴史と地理の本。
 驚くべきことに平城京の道の方が、現代の道よりも真っ直ぐに描かれており、普通の感覚と正反対になっている。条坊制がとことん地形を無視して施工されていたことがわかる。さすがに古墳(垂仁天皇陵)はそのままになっているが……。
 地形的に無理な場所に住むことになった人は苦労したのではないかなぁ。あるいは彼らが無理矢理居住させられた影響で、多少は地形の起伏が減った場合もあったかもしれない。
 しかし、現代の状況と比較すれば古代における地形改変能力の限界がうかがえると言える――古墳造営並に徹底的にやれば、また違うけれど。

 中盤以降の奈良時代に関する歴史地図では、長屋王や藤原一族の物語が楽しめる。
 長屋王は可哀想な印象が強かったけれど、その収入が現代の価値にして7億円に達していたと読んで、ちょっと見る目が変わった。まぁ、藤原氏の謀殺がいつものとおり酷いことに変わりはないが。
 日本人の多くに藤原氏の血が流れていると考えると、いまの国民性が不思議に思えてくるよ。藤原不比等がエンペラーメーカーだったことも興味深かった。

 聖武天皇は「自分探しの旅」に出たなどと言われてしまっており名前の割に情けない印象がある。まぁ、しょうじき彼の時代の日本には生まれたくない。
 最後にあった天武天皇が新羅王朝の出であり、天智天皇と赤の他人であるとする記事は、さすがに飛ばしすぎだと思いました。そうだとしたら、どうやって与党を募ったんだ?天智のアンチが多かったとでも言うのかーっ!?

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奈良時代MAP―平城京編 (Time Trip Map―現代地図と歴史地図を重ねた新発想の地図)
奈良時代MAP―平城京編 (Time Trip Map―現代地図と歴史地図を重ねた新発想の地図)
カテゴリ:歴史 | 21:53 | comments(0) | trackbacks(0)

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