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出土文字に新しい古代史を求めて 平川南

 漆紙文書、木簡、墨書土器、そして金石文。考古学的調査でえられる古代の文字資料から明らかになっていく歴史のおもしろさをまとめた本。
 さまざまなところに出した文章が一冊にまとめられており、ずいぶん古いものもあった。しかし、文字資料に対する強い関心ではテーマが一致している。

 個人的にもっとも興味深かったのは墨書土器にみられる則天文字の存在だ。中国では使用が禁止された特殊な文字が、日本では民衆にも利用されるほど残り続けた――水戸光圀の圀は今でも生きている!――ことが非常に興味深い。
 著者は呪術的な意味を重視している。個人的にはメーカーの商標などに見られる傘のマーク(+カタカナ)などに通じるものを感じた。文字はどこまでが文字で、どこからが記号で、どこからが絵なのか。
 異国の地にやってきた漢字はそれを改めて問いただされたようである。

 完全に本物と考えていた多賀城碑に偽物説(否定されているが)があったことに驚いた。
 発掘でしか分からない情報が盛り込まれているから本物とする本の中に、江戸時代の偽史の中にも正しい古典の断片から得られた情報が混じっているらしいという話が載っているのは座りが悪かった。
 まぁ、著者の主張するとおり先入観を捨てて徹底的に検証することが最優先ってことだろうな。

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出土文字に新しい古代史を求めて
出土文字に新しい古代史を求めて
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