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覇者の戦塵1944〜本土防空戦 前哨 谷甲州

 政変で各務大佐が左遷されたと聞いて大喜びの私であったが、ホラーじみた展開に度肝を抜かれた。どこまでもタフな悪役である。ちょっと秋津大佐の倫理が甘ければ、最初期に死んでいた野郎がここまで粘るとは……満鉄調査部の技師は元気かなぁ。
 アメリカとは講和が成立しえても、各務大佐とは本質的な意志の疎通が不可能に思える。あまりにも厄い。

 だが、地獄のような悪運でさんざん暴れ回ってくれた大佐もついに年貢の納め時がやってきた。陣内少佐は彼との因縁を断つのにふさわしい人物だと思っていたが、それすら乗り切って生還を果たすとはねぇ。アドミラルティ諸島()
 蓮美大佐との直接対決がなかったのは残念で妥当。そんなことになれば、各務大佐が一瞬で消し飛んでしまうからな。海兵隊なのに非合理な軍刀が役に立つ機会が見れたかもしれん。

 アメリカ軍最大の援軍がようやく屈服していたころ、戦争はさらなる進化を遂げていた。B-29と言えども覇者の戦塵日本の防空体制の前には無敵ではないことが明らかになりつつある(でもやっぱり日本は追いつめられている)。
 防空戦艦陸奥は大井と北上に味をしめて出来上がった代物なのかな?タイミング的にもっと早く動き出しているか。でも、かなり素早く改造工事ができそうだ。
 もはや、艦上構造物がなくなることは被害ではなく、好都合だと艦政本部に思われているフシがある。サウスダコタ級と夜戦を演じた川内もやはり恰好のプラットフォームのはずだが、最終決戦で出番はあるのかなぁ。

 断片情報によればヨーロッパ戦線ではノルマンディ上陸作戦が実行に移されている模様。そういう意味でも残された時間は少ない。(良心的士官全員から)絶賛抑留中の辻中佐も各務大佐の後を追うがよろしい。
 徒歩でユーラシア大陸を突っ切ってこいよ。まったく、期待はずれな辻ーんだ。……本当にしそうで怖い。

 サイパン島の守備隊は未だに持久中。もし、各務大佐が日本全土を焼き払っていても抵抗を続けた予感。どうにかして補給できている?絶望しない士気が異常すぎる。ダヴー元帥が立てこもったハンブルクみたいだ……蓮美大佐は覇者の戦塵日本のダヴー。いや、タブー。
 2000馬力級の主力発動機に誉が落ち着いたところが、改めて谷甲州作品らしいと感じた。優れたロケット弾プラットフォームである極光のおかげで、この世界でも機銃不要論が目撃できそうだ。

 この勢いで、宇宙に人類を最初に送り込むのは日本だと想像したいが、スケールが違いすぎるか。
 しかし、直径60cmの誘導噴進砲まで来ると……この近接信管はな、米軍。お主から盗んだのだ。

覇者の戦塵:戦略爆撃しか手段の無くなったアメリカ合衆国

谷甲州作品感想記事一覧

覇者の戦塵1944 - 本土防空戦 前哨 (C・NOVELS)
覇者の戦塵1944 - 本土防空戦 前哨 (C・NOVELS)
カテゴリ:架空戦記小説 | 21:26 | comments(0) | trackbacks(0)

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