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戦略・戦術・戦史Magazine 歴史群像 No.134 ソ連軍冬季攻勢1942-43

南北朝九州軍記
 この記事を目的に本誌を購入した。菊池武光のことを覚えておきたい。懐良親王と政治と軍事の両輪で九州を制覇したものの京都に上ることは叶わず、それを成功させた足利尊氏との違いを考えるのもおもしろい。九州三国志は南北朝時代にもあったんだ。
 あと、反乱されまくりな尊氏の政治も後醍醐天皇に負けないくらい無茶苦茶にみえる。
 黒田如水が関ヶ原で九州を制覇しての東上を狙っていたと噂されるのは南北朝時代のこういう下敷きがあってこそなのだろう。
 多々良浜の戦い戦況図がイッソスの戦いっぽい感じがした。
 勝ち抜き最終決戦である大保原合戦は少弐軍の後方に回り込んだ菊池武政の軍勢が、長期戦になったことで大打撃を受けていそうで気になった。生き延びることができたのかなぁ。
 敗北しても本拠地に逼塞すれば簡単には滅ぼされない南北朝時代の状況も興味深かった。

ソ連軍冬季攻勢1942-43
 ソ連軍冬季大攻勢という記事があったことを覚えていたのだが、同じ著者による1941-43の戦いの記事だった。ドイツ軍に比べてソ連軍が軍事理論的に優れていて、作戦の無駄が少なかったことが説明されている。資源に劣る側がそれでは勝てまい。
 ヒトラーが将軍をどんどこ更迭しても次の人間がすぐに着任できるドイツ軍の人材層の厚さはたいしたものである。軍縮の時代を経験しているとは思えない。
 マンシュタインがヒトラーを説得できているのが凄い。自分が更迭されたら、現場がもっと酷いことになると後ろ向きに考えてしまうと、なかなか直接説得の行動には移せないはずだ。

艦内新聞を読む
 僕の愛人、機関缶子……まさか後世にこんな記述を残されてしまうとは夢にも思っていなかったのではないか。残らないつもりの艦内新聞がしっかり綴じられて残っていたなら執筆者には恐ろしい。
 最後の航海中に刷られた艦内新聞は残りようがないことがもったいない。

豊後岡城
 一つの城にたくさんの家。観音寺城を連想させる話であった。古田氏は最後まで城内に居座ったのか。建物のへうげぶりが気になってしまった。
 家臣が独自の判断で反撃してくれるのはレスポンスの面では多少の利点があったかもしれないが、他の戦線への転用は難しかっただろうから、マイナス面の方が大きかったはず。

ドイッチュラント級戦艦
 ポケット戦艦などと呼ばれた通商破壊艦。
 英仏の狙い通り海防戦艦として設計されてレニングラード攻略に専念した方が最終的にはドイツの利益になったのではないか?著者は役割を果たしたとしているが、そんなことを考えてしまった。まぁ、ポーランドがあるかぎり、先に英仏と衝突するのは避けられないので大西洋で戦える艦が必要なのか。通商破壊目的には水上機の搭載機数が2機と物足りないが、排水量の縛りがあるからなぁ。
 ワイマール共和国も裏では積極的なことを考えていて、一筋縄ではいかない。

海軍九三式陸上中間練習機
 有名な赤トンボ。まさか生産機数で零戦と隼につぐ三位だったとは……長期間生産が続けられたおかげにしても、これで搭乗員の大量育成に成功したと言えないのが残念だ。それよりなにより特攻の道具に使われたのが堪らない。使われ方の計画に歪んだ合理性があって、かえってグロテスクだった。

【戦史の名画を読む】ナンシーの戦い
 ナンセンスなシャルル突進公のナンシーの戦い。ブルゴーニュ公国の歴史と先進的すぎて時代に適合しなかった突進公の軍隊のことを併せて知ることができた。北海から地中海まで横断する国家の建設は目標として大きすぎる……神聖ローマ帝国も北イタリアに首を突っ込んでいるので不可能ではないのかな。
 家臣と君主の二重状態でうまくいった例はアンジュー帝国とノルマン公国くらいしかないことも興味深かった。

ロシア帝国航空隊
 曲芸飛行士ピョートル・ネステロフによる体当たり攻撃の失敗談……撃墜機数20のアレクサンダー・カザコフは体当たり攻撃による生還を成功させているんだ。そっちも凄い。
 四発爆撃機イリヤ・ムーロメツの400回出撃して被撃墜2は少ないなぁ。第一次世界大戦の航空部隊は戦死率が低くていい。

「大坂の陣」マイナー武将 蜂須賀家政
 阿波の狸の異名を持った食わせ物武将、蜂須賀家政の逸話。なかなか面白い立ち回りをしているんだな。
 筆者の作品にも興味をもった。丹羽家の敗者復活劇を描くとはマニアックな。

八路軍vs.日本陸軍
 人民戦争の恐怖。まったく新しい戦争に直面した日本陸軍の戦い。おかげで日本陸軍は貴重な戦訓をえることになったわけで、各国によっては非常に手に入れたい情報だったに違いない。
 交換比率では50対1と八路軍が圧倒的に多くの犠牲を出していることも注目に値する。ベトナム戦争でもゲリラ戦をしかけた側の被害が圧倒的だったはず。
 それでも戦闘を継続する根性が必要な戦略だ。

燕と流星
 直接対決の叶わなかったイギリスとドイツのジェット戦闘機の話。ハインケル排斥の行動がドイツに与えた影響は計り知れない。ほとんど好みの問題に思える判断が国を滅ぼすまで行くのだから歴史は恐ろしい。
 メッサーシュミットは最初から軸流型ジェットエンジンで、ミーティアはまずは作りやすい遠心型ジェットエンジンという違いは国民性すら反映されているようで興味深かった。

迷宮歴史倶楽部
 哨舎の変遷。一方向しか監視できなくてもいい環境じゃないと使えないな。まぁ、門の前なら問題ないのか。狙撃への対策にはなるし。
 明治村の奴に瀟洒な哨舎とダジャレをつぶやかずにはいられない。

信長の独断 フルスロットル
 相馬義胤と円錐。みる角度によって尖っているようにも丸いようにも見える円錐。なんて巧いことを言うんだ。さすがはデザイナー(歴史研究家としては褒めない)!
 歴史シミュレーションなら政宗とのライバル関係でいい持ち上げられ方をしている作品もあったぞ。

豊臣大名長宗我部氏の落日
 信親の死から全てが連鎖的に狂ってしまっている。盛近の発給文書に「即時」が乱発されているのは、現代でもものすごく印象が悪い。「なるはや武将」と呼びたくなる。
 まぁ、苦労した時代に多少は成長したみたいで……それを瞬間的に活かしてもお家最高はならず。それでもお墓の立派さは信親以外の兄弟よりもだいぶ良いことが写真で分かった。香川親和の墓がペットボトルの花立てで、もの悲しさを加速させている。今でも守って貰えているだけでも凄いのだけど。

戦士の食卓 ウサギのホワイトソース
 日本で古来から食べられていたのはノウサギ。戦時中に養殖されて食べられたのはアナウサギ。両者は犬と猫ほどに違う。最近手に入れた知識を得意げに使ってみた。
 味がどれくらい違ったのか気になるところ。写真の盛りつけ、どうにかならなかったのか。

フリートランドの戦い
 ベンニクゼンの発想はよかったのだ。発想は。
 しかし、迅速な攻撃による各個撃破に失敗した段階で勝負がついてしまった。背水の陣は厳しいもので、砲兵の数の優位も活かしきれなかった印象がある。
 バグラチオンとランヌがライバル関係にあるという記述が興味深かった。あと、ワーテルローの印象が強いグルーシー将軍が堅実に仕事をしているなぁ。
 ヨーロッパの夏は日が長いせいで戦闘時間が恐ろしく長いことになっている点も覚えておきたい。20時間も活動を継続って……それだけで死んでしまいそう。行軍の厳しさで体調も万全じゃないだろうし。

戦場伝説
 6時の方向に注意。ドイツ機は太陽の中から襲ってくる。メモメモ。
 機体を翻した方が負けの対抗射撃戦をエースがやるのは、上官的にはやめてほしくてしかたないだろうな。これで人材を失ったら損をするのはソ連軍の方だ。

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