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戦国大名の兵粮事情 久保健一郎 吉川弘文館

 戦国大名があつかう兵粮には「モノとしての兵粮」と「カネとしての兵粮」の二種類があり、二つは次々と役割を変えながら消費されていった。
 度重なる戦争に「兵粮」を使い果たした武士たちは落ちぶれていくが、一部の商人などは富を蓄積するのであった。
 そんな経済的な視点から戦国時代の様子をみせてくれる本。主に東国の北条氏、武田氏、今川氏の資料を用いており、毛利氏の資料も一部とりあげられている。
 滅亡した三家の資料がしっかり残っているところが興味深い。負けて領地を占領した相手が天下統一を果たした徳川家だったから、下手に転封を繰り返している家や、何度も別の勢力に吸収されている家よりも文書が保存されているのだろうか。
 徳川家相手なら前の領主からの関係を引き継いでくれると思われていたのかもしれない。そのあたりの事情も気になった。

 なによりも今川氏真が蹴鞠と和歌のあいまあいまに暇つぶしで結構政務を執っていたことが和歌って面白い。兵粮の問題にそれなりに対応しているようなのだが、騙されて裁定を撤回しなければならなかった出来事があったらしい話が気になった。
 あと、岩瀬雅楽助がカネにまつわる話題では「おなじみ」にされているのに笑った。どんだけ今川家と「癒着」していたのやら。イメージ映像がわらうせえるすまんになった。

 北条領で起こった兵粮に関する定義の変質が興味深くも恐ろしかった。民の食糧は兵粮!北条家の食糧も兵粮!!
 まさに戦時体制である。

関連書評
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戦国の軍隊〜現代軍事学から見た戦国大名の軍勢 西股総生
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戦国大名の兵粮事情 (歴史文化ライブラリー)
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