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天文学の誕生〜イスラーム文化の役割 三村太郎

 岩波科学ライブラリー173。
 コペルニクスが提唱した地動説はどこから現れたのか。源流であるプトレマイオスとコペルニクスをつなぐ流れを追っているとイスラーム社会にたどりつく。

 アッバース朝ではササン朝ペルシア以来の伝統を受け継いで翻訳事業が行われており、ゾロアスター教のような二元論を論駁していくためにもギリシア哲学の論証的な思考法が重宝されていたのだ。
 ……登場人物が天才ぞろいすぎて圧倒される。厳しく意見を批判される人物であっても、自分が渡り合える気がまったくしない。知の最前線をみてしまった思いだ。

 とりあえずアッバース朝の二代目カリフ「マンスール」の偉大さが印象に残る。神聖ローマ帝国のフリードリヒ二世が模範にしていそうな英主である。
 権力者が学者たちに議論をさせるマジュリスの風習も興味深かった。力で強引に黙らせたり、理論の外側にあるもので丸め込んだりしない社会は文明の発展をもたらす。

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天文学の誕生――イスラーム文化の役割 (岩波科学ライブラリー)
天文学の誕生――イスラーム文化の役割 (岩波科学ライブラリー)
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