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原典訳ハンムラビ「法典」 中田一郎訳

 おじさん(という神は)偉大なり!
 ハンムラビが石碑に刻ませた法典の全容を収録した本。本文よりも解説が長い。註釈も考慮にいれれば3分の2は補足説明になるのではないか。

 「目には目を歯には歯を」の言葉に有名になりすぎているハンムラビ「法典」だが、全体を通して読んだ印象では当時のメソポタミア社会が身分制――少なくとも多くの階層に分かれた社会であったことを強く感じた。
 解説で詳細に分析がされている「アウィールム」と「ムシュケーヌム」そして「奴隷」の関係に、国家への奉仕を農地の代わりに課せられた人々や修道女たちが出てきて過激なまでに平等な感じではない。
 複雑な社会状況の中で、できるかぎり社会の安定をたもとうと、ハンムラビと彼の裁判官たちが苦心した様子はうかがえる。

 ハンムラビ「法典」に先行するウルナンム「法典」やリピト・イシュタル「法典」、エシュヌンナ「法典」などの情報も解説に載せられていて、ハンムラビ「法典」の誕生にいたるまでの流れがおおよそつかめる内容になっている。

 それにしても碑文前側の3分の1が削られていることが残念だ。ハンムラビが後文でかけた呪いが、文章を削り取らせた人間に降りかかっていますように。

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ハンムラビ「法典」 (古代オリエント資料集成)
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