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決定版太平洋戦争6「絶対国防圏」の攻防 歴史群像シリーズ

 設定が現実に追いつかず、まともにラインで戦うことなく溶けてしまった「絶対国防圏」。結果的に、絶対という強い言葉を使ったことが、臆病さの裏返しにも感じられてしまう。
 比較的冷静な陸軍に対して、握り込んだ玉を離すことができずに、手が壷から抜けずに壊死していく海軍……まぁ、陸軍も巻き込まれているし、あちらはあちらで大陸で打通作戦やインパール作戦をおこなっている。他人事だから戦線縮小に積極的になれたとも考えられる。
 大陸打通作戦には末期の武田家が上野では領土を拡張していたことを連想する。エネルギーを注ぎ込むのはそこなのか、という。インパール作戦については、やはり悲惨だった。
 航空優勢を確保できず、包囲された空中補給で英軍が耐久したことが勝敗をわけた点が興味深い。
 戦後のフランス軍がティエンビエンフーの戦いに自信をもった背景には、インパール作戦の研究があったりした?

 戦後へのつながりで言えば、ニューギニア攻略でみせたマッカーサーの「蛙跳び作戦」も朝鮮戦争の仁川上陸に大きな影響を与えていそうだ。
 どちらも制空権と制海権は確保できている前提の上での作戦だな。

 最後にあった日本の船舶数推移には暗澹となった。さすがの日本陸海軍も民間用の船舶を引っ剥がすには限度があったんだな……100万トン足りないけど。
 トラック空襲のターニングポイントっぷりも、グラフのおかげで理解しやすい。陸軍と海軍で船舶確保の縄張り争いをしている余裕なんてない。
 本書を読んだ後でみる当時の「写真週報300号」は空虚な言葉がたくさん並んでいた。本書を読む前にみても空虚に感じられそうだけど……当時の人たちも、どこまで信じていたのだろうな。

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太平洋戦争 6―決定版 「絶対国防圏」の攻防 (歴史群像シリーズ)
太平洋戦争 6―決定版 「絶対国防圏」の攻防 (歴史群像シリーズ)
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