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兵隊元帥欧州戦記3 出撃!伊号第三〇潜、マルタ島陸海攻略作戦!! 林譲治

 潜水艦の名前を出しておきながら陸海攻略作戦!!なのにいちばん活躍するのは実は航空兵力!矛盾しすぎだろう、いくらなんでも。そんなツッコミを入れたくなるタイトルの兵隊元帥欧州戦記3巻。これがSFならば、谷甲州氏にならって架空の生き物を組み込んじまえば誤魔化せるのだが……ミノタウロスの唸り、とか。それはマルタ島じゃなくてミノス島か。

 それでもこの号の主人公は伊三〇潜水艦。ジブラルタル海峡突破のくだりは海洋冒険小説と見ても一流で、かなり印象に残るシーンだった。酸素魚雷の分解は絶対規則違反だが命の方が全然大事だし、地中海の日本海軍潜水艦はたった一隻、一隻の潜水艦とは国家のようなものだから、何をやっても許されるのだ!
 日独伊を敵に回したイギリス海軍はあまりにも憐れ、基本的に第二次世界大戦は連合軍が枢軸国を一国ずつタコ殴りにしていく戦いだったのに、この世界においては連合国の要であるイギリスが他から切り離されてタコ殴りにされてしまってる。イギリスはソ連とアメリカを結ぶ蝶番としても非常に大きな役割を果たしていたから、そこに日独伊の圧力が集中するのは戦争にとって致命的だ。
 日本人は日英同盟の余波なのか、対米漸減戦法に凝り固まったせいか、第二次世界大戦でイギリスを攻め切れなかったからなぁ……イギリス海軍の方は沖縄戦に空母を送り込んだりしてるのに。
 もしも、軽空母の一隻でも投入してインド洋で通商破壊戦に乗り出していれば、別の展開があっただろう。太平洋正面だけでなく、インド洋、地中海、大西洋方面での発想ができなかった時点で負けは決まっていた。
 だからこそ、この作品には読み応えがあるわけだ。

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出撃!伊号第30潜、マルタ島陸海攻略作戦!!―兵隊元帥欧州戦記〈3〉
カテゴリ:架空戦記小説 | 10:42 | comments(0) | trackbacks(0)

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