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兵隊元帥欧州戦記4 綾波隊、インド洋作戦!! 林譲治

 今までは欧州が戦闘の舞台だったが、こちらはほとんどインド洋オンリー。看板に偽りありといわざるを得ない。そういえば兵隊元帥の活躍も弱い。
 しかしながら、前半で中規模の戦闘を描いて登場人物と読者に経験値を稼がせ、後半でより大規模な戦闘に話を発展させる1巻からの手法は見事に踏襲されており、4巻でほぼ完成の域に至っている。

 他にも見どころは多く、科学的な解説を交えながら行われる戦艦同士の砲撃戦や、伝説的「缶きり轟沈」のプロセスなど本気なのか冗談なのか測りかねる表現がおもしろい。
 おもしろいといえば大竹艇長と2人の仲間のサイドストーリーも見逃せない。ちょっとあれだが大竹艇長が魅力的な人物に見えてきた。少なくとも独断専行を躊躇しない果断さと冷静な判断力を備えている。他の艇長も実は似たり寄ったりなのだろう。海軍はフリートビーイングが幅を効かせやすく意外と慎重さが尊ばれる組織だが、若手が駆る甲標的ならばその悪影響からかなり脱することができている。
 潜水艦搭載水上機の運営も含めて日本海軍の特色がでていて、それが利することが出来ている戦いだ。

 また、ひとりで全てを管制しようとするルーカス大佐と、厚みのある陣容で計画を立てられる綾波隊の戦いとみても興味深い。イギリス海軍の敗因は人材の払底をふくむ戦力低下にあり、新しい敗北はさらなる戦力低下をよぶ。
 よくもまぁ、彼らはあの戦争に勝利できたものだ。

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綾波隊、インド洋作戦!!―兵隊元帥欧州戦記〈4〉
カテゴリ:架空戦記小説 | 10:49 | comments(0) | trackbacks(0)

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