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遺跡を学ぶ109 最後の前方後円墳〜龍角寺浅間山古墳 白井久美子

 むかしむかし、千葉県の北部と茨城県の南部のあたりには大きな水域「香取の海」があった。その一部をなす印旛沼の東岸に、中央では古墳の造営が下火になってから盛んに造営された龍角寺古墳群の調査結果が本書にはまとめられている。

 タイトルになっている龍角寺浅間山古墳は未盗掘かと思いきや、平安時代に攪乱にあっており、それでガッカリしたところに盗掘では説明しにくい前庭の散乱状態が観察されたりと考古学者を翻弄する遺跡である。
 開いたことのない石室だと思ったのに、中身はほとんど空というものもあって、担当者は緊張感を保ちにくかったのではないか。

 なんだかんだで成果はえられており、前庭から慎重にひろいあげた装飾品の欠片など、周辺とのつながりを考える上でも興味深いものが見つかっている。
 筑波の石が利用されていたことなどから、香取の海をつかった水運が注目されるのも自然な話だ。立派なはにわなどは群馬の古墳におかれていたものを連想させてくれた。

 首都の近郊にありながら千葉県に多くの古墳が残っているのは、文化庁の「全国風土記の丘構想」のたまものらしい。
 まだまだ未調査の古墳はたくさんあり今後の成果が楽しみなのも、この構想のおかげであろう。

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新泉社 遺跡を学ぶシリーズ感想記事一覧

最後の前方後円墳 龍角寺浅間山古墳 (シリーズ「遺跡を学ぶ」109)
最後の前方後円墳 龍角寺浅間山古墳 (シリーズ「遺跡を学ぶ」109)
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