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遺跡を学ぶ110 諏訪湖底の狩人たち〜曽根遺跡 三上徹也

 考古学者のドリームチームが調査した。
 諏訪湖の湖底に存在し、多くの石鏃がひきあげられた曽根遺跡の研究史を明らかにする。湖底に遺跡がある特異な状況を説明するために、いろいろな説が提唱されており、最終的には水位の変化に落ち着いている。
 琵琶湖に水底遺跡があることは有名だが、諏訪湖の水底遺跡も興味深い。結びにあったように、ポンプで限られた区画を排水して、ちょくせつ調査できる日を待ちたい。冬にうまく寒さを利用すれば凍結で漏水を減らせないだろうか……濡れた地面も凍結して掘りにくいかもしれない。

 曽根遺跡からの発掘品については、旧石器時代から縄文時代までの道具が混ざって出土する状態になっている。
 いまは沈んでしまったが連綿と人々が生活していた土地という位置づけが興味深い。
 また、曽根遺跡が石器づくりの学習センターであったとする説も興味深いものがあった。脚の長い石鏃は免許皆伝のあかしとまで来ると想像が走りすぎている気もするが、わざわざ壊れやすい形状を丁寧に作ったことは不思議である。
 獲物に当たるようにとの呪いの意味があったのかもしれない。

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諏訪湖底の狩人たち 曽根遺跡 (シリーズ「遺跡を学ぶ」110)
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