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ビスマルク〜ドイツ帝国の建国者 大内宏一

 世界史リブレット人の065巻。
 ドイツ帝国の建設に多大な貢献をはたした鉄血宰相ビスマルクについて、落ち着いた評価をしていく冊子。
 演説で注目をあつめて、いきなりロシア公使に抜擢された経歴が意外だった。彼個人の人生経験からは、武器の力よりも、言葉の力を信じる方向に向かいそうであるし、実際に戦争よりも外交や戦争の事後処理を重視しているように見える。
 ところがビスマルクを支持する人間が讃えるのは、普襖戦争や普仏戦争でドイツ(プロイセン)を勝利に導いただと思われるところが、皮肉である。

 いまとなっては強力な権力者だったと感じられるビスマルクが、対内的にも対外的にも明確に目的を達成できていない場合の方が多いと見受けられる点も興味深かった。
 だが「いくさは六分の勝ちを最上とする」発想でみれば、そういう「失敗」の積み重ねこそビスマルクの権力を長生きさせていたのかもしれない。

 近代の人物ながら、なかなか複雑で、面妖な偉人だった。権力の源泉であるヴィルヘルム1世と2世との関係も注目である。その点で、やはりリシュリューと比較したくなる。

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ビスマルク―ドイツ帝国の建国者 (世界史リブレット人)
ビスマルク―ドイツ帝国の建国者 (世界史リブレット人)
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