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図説 玉砕の戦場 太平洋戦争研究会・編 森山康平・著

 日本軍による日本人の殺人行為。いまの時代には愚行の極みとしか思えない玉砕戦の数々をとりあつかったふくろうの本。
 冒頭にとりあげられているフィリピンで捕虜になった陸攻乗組員の殺され方が凄惨すぎる。生還を期しがたい任務に何度も送り出され、それでも生きて帰ってくるので最後は護衛もつけずに自爆する任務を「示唆」されたという……。
 本人たちの訓練に費やされた労力はもちろん、貴重な陸上攻撃機を合理性も欠片もない任務で消耗していたら、戦争に勝てるわけがない。国力が劣っている側が、これをやっているのだから、どうしようもない。
 血税をなんだと思っているのかという意見には、血税よりも天皇のもの扱いなのかなぁ。天皇のものだから粗末に扱っていいって論理になったら、まったく天皇を尊崇していない気もするのだが……まだ100年も経っていないのに理解の及ばない世界観である。

 それぞれの戦場ではアメリカ軍の圧倒的な戦力投入がナンセンスにすら思えるレベルだった。連続して島を落としていかなければならないので、損害を最小限にするためにも兵力を厚くしているのだろうが……正直、航空写真でトイレの数から兵力を推定したエピソードがなければ、偵察の失敗による過剰投入を疑うレベルである。
 何度も自決をみせつけられながら根気よく投降の呼びかけを続けた行為もひとつの戦いに感じられた。
 飛び降りない民間人を狙撃した日本兵に数百発の銃弾を浴びせかけたエピソードに彼らの感情をみる。
 戦陣訓がなくても戦争は十分に狂気の行為だったわけで、良く耐えた人がいたものだと思う。

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図説 玉砕の戦場―太平洋戦争の戦場 (ふくろうの本)
図説 玉砕の戦場―太平洋戦争の戦場 (ふくろうの本)
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