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イスラームの生活と技術 佐藤次高

 世界史リブレット17。
 イスラーム社会の生活に大きな影響をあたえた二つの技術。製紙と精糖について、同時代資料を引用しながら追っていくブックレット。

 アラブ人が征服地の民族の長所を認めている文章に、ローマ人の姿勢を思い出した。
 ただし、ローマ人が軍事を売りにしていたのに対して、アラブ人は詩と宗教を売りにして、軍事はトルコ人の得意としている。

 紙にしても砂糖にしても詳しい製法が書き残されていることが興味深かった。同時代の著者がもっていた視点が実に科学的である。
 粗糖に牛乳を混ぜることで雑分を吸収させて白砂糖に精製する技術が科学的であることを著者が確認している点も興味深い。江戸時代の日本では鶏卵が使われたというが、飲まないからこそ牛乳を使う選択肢はなかったのか――出産していない牛は乳を出さないからなぁ。

 なぜか言及されていないけど、砂糖の文化がイスラム教が飲酒を禁じていることから発展しているであろう点も見逃せないと思った。ラマダン明けの栄養補給とならんで砂糖を支援する気まんまんの宗教である。

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イスラームの生活と技術 (世界史リブレット)
イスラームの生活と技術 (世界史リブレット)
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