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バーブル・ナーマ1 バーブル・著/間野英二・訳注

 ムガル帝国創設者の回想録と副題がつく。そもそも、バーブル・ナーマも本来の書名ではなかったとされるバーブルの事績録。著者が1995年につくった校訂本を元に翻訳した物。

 ティムールとチンギスハンの血を引く高貴な王子バーブルが中央アジアで送った若き日々は戦いの連続であり、裏切りや逆転劇もひどく多い。
 サマルカンドを征服しては奪い返される繰り返しに、日本の戦国武将、小田氏治を思い出した。彼が小田氏治と違ったところは若くして他の地方への転進を決意したところで、一族郎党をひきつれていれば土地がなくても何とかなる当時の中央アジアの性質を感じさせる。

 それにしてもよくぞ飽きないと思うほど戦いに明け暮れているのだが、バーブルにとってみれば十代からの日常なので違和感を覚えることもできなかったかもしれない。
 他の勢力との戦いでは基本的に劣勢である。しかし、バーブル本人は好機を逃して果断さに欠けたことを反省している場合が多い。あるいは間違った提案を受け入れたことを。
 たとえば、バーブルが経験した初めての会戦であるフーナーン付近の戦いでは、部下のベグが慎重だったせいで、追撃が徹底していない。明らかに反抗的な人物を、その勢力が大きいために重用せざるをえない場合もあった。
 血気盛んな若いバーブルにとって、さぞかし歯がゆいことだっただろう。

 訳者の述べるように本書にはバーブルの率直な心情が多く吐露されており、商人の少年バーブリーに恋をした場面はなんとも印象的だった。
 登場人物が多く名前も似ているので区別が難しかった。歴史書なので仕方がないことではある。

関連書評
バーブル〜ムガル帝国の創設者 間野英二
ムガル帝国の興亡 ナショナルジオグラフィックDVD

バーブル・ナーマ 1: ムガル帝国創設者の回想録 (東洋文庫)
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