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バーブル・ナーマ2 間野英字・訳注

 10年飛んだらウェーイ系になっているバーブル王の姿に絶句。ヘラートで飲酒を決断したせいで、王様は変わってしまった……。
 カースィム・ベグの後見がなくなったせいかもしれないとも思った。カンダハールの戦いで額に矢を受けた描写があったので戦死したかと思いきや普通に生きているし、10年後ではカーブルの留守を受け持っている。宿将の言葉がふさわしい。
 バーブルも甘い方だが、カースィム・ベグは輪をかけて甘い。遊牧民たちが移動の許可を願うときの仲介役に頼りとするくらいだ。

 バーブルはサマルカンドから追い出されて、ティムール朝の仲間を失い、進出方向を変えた。それ事態はいいのだけど、異母弟のナースィル・ミールザーがカンダハールに包囲されている時に、救援をせず別方向への発展を探るのは控えめに言っても鬼畜である。
 カンダハールは放棄しながらも、かろうじて生きて帰ってきた弟は兄に対して何を思ったことか……訳注によればワインの飲み過ぎで死んだのも、そういうストレスが関係していそう。
 そもそもワインをおおっぴらに飲めるようになったのもバーブルが飲酒を始めたおかげである。酒を断っていた時代のバーブルが家臣一同と酒宴に呼ばれて、バーブルが無礼講だと家臣に告げていたにも関わらず、家臣たちがこそこそと飲んでいた描写が人間味たっぷりだった。
 まったく、よくみている殿様だ。

 アフガニスタン周辺の地理描写も見所であり、ヒャッハーな略奪をつづけるバーブルたちと旅を共にした気分になれる。
 アフガーン人の性質について、ずいぶん悪く書いているけれど、余所者が当然の権利者の顔をして支配にやってきたら「なんだこいつ」と思われるのも無理のない面はあったのではないか。

関連書評
ナショナルジオグラフィック世界の国 アフガニスタン

バーブル・ナーマ 2: ムガル帝国創設者の回想録 (東洋文庫)
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