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岩石薄片の作り方 力田正一 グリーンブックス106

 研究用の岩石薄片をつくる方法を短く的確にまとめた本。
 徹底的な人力による作り方を最初に紹介していて、求められる膨大な時間へのイメージにおののいた。最初からいい薄片ができるならともかく、技術向上のための時間もあるわけで……地学者が薄片に費やしてきた時間の積算はどうなっていることやら。

 砂などを薄片にするための特別な方法も紹介しており、膨潤性試料を塩化カリウム水溶液で研磨する手順の複雑さには笑ってしまった。水をエタノールで置換したと思ったら、エタノールをキシレンで置換していた。
 カナダバルサムを溶かすあれこれもあって、なかなか錬金術師の怪しげな実験に近い雰囲気がある?

 それはそれで楽しそうだが、染色には危険な薬物も出てくるし、研磨機を使えば回転体による切り傷の危険は常につきまとう。
 薄片をつくる学生には楽しみをみつけながらも、緊張感をもって作業してもらいたい。

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岩石薄片の作り方 (グリーンブックス 106)
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