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呉越春秋〜湖底の城7 宮城谷昌光 講談社

 主人公が伍子胥から范蠡に代替わり。越を舞台にした物語が繰り広げられていく。
 范蠡の成長については、けっこう端折られた印象はあるけれど、伍子胥編で見られたエピソードが複雑に絡み合っていて面白い。
 複雑な伏線回収に挑戦している。

 戦争はスイリの戦いひとつだけで、有名な自刎戦術はもちろん描かれているのだが、越王勾践はそこにひと味付け加えている。
 一度勝利しても国力で越国が不利であることは変わっていない点も注目である。スイリの勝利の勢いを借りて国力差が逆転するまで攻めつづけることは、やっぱり無理だった。二回も奇襲作戦に失敗して貴重な精鋭を失っているからなぁ。
 越兵は失敗したら生きて帰れないと絶望的な戦い方をするところも恐ろしい。まるで太平洋戦争の日本人みたいである。彼らに国家からの保証はあったのだろうか……。

 常に退路を考えて行動している范蠡の姿勢に彼らしさを感じた。
 女性との縁もなかなか多いが、喜ぶよりも悩まされてしまう性格である。西施から重要情報が零れてくる展開もあるのかなぁ。
 范蠡が主人公になった以上は、伍子胥が死んでも話は続きそうだ。

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呉越春秋 湖底の城 第七巻
呉越春秋 湖底の城 第七巻
カテゴリ:時代・歴史小説 | 15:53 | comments(0) | trackbacks(0)

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