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ドイツ王室1000年史 関田淳子

 ザクセン・プロイセン・バイエルン。ドイツを代表する三つの王室について君主を中心に大量の絵画で追っていく。
 プロイセンより先にザクセンが出てくる配置が興味深い。由緒の正しさではザクセンの方が上か。選帝侯という神聖ローマ帝国独特のシステムや新旧のキリスト教が激突した影響も見逃せない。
 しかし、いちばん印象的なのはナポレオンという名の災害の存在である。ドイツ諸侯目線でも、とてつもなく衝撃的な出来事だったようで、ヨーロッパの津波に翻弄される彼らの立場にハラハラしながら読んだ(ドイツにとって三十年戦争も熾烈だが、お偉いさんにとってはナポレオン戦争の方が影響が大きそう)。
 バイエルンについては巧妙に立ち回って、ナポレオン戦争から利益を得ていたりする。よくいえば小国の知恵である。

 東の隣国であるポーランドとの関係もさすがに深くて、ザクセン公はポーランドやリトアニアとの同君連合を作っていたりもする。
 神聖ローマ帝国の皇帝になった時期さえあっても主流になることができなかったのは何故か。考えさせられた。

 ヴィルヘイム一世とビスマルクが互いに悔し涙を流しながら激論を交えたこともあるとのエピソードに衝撃を覚えた。この時代のプロイセン人もわりと泣く人種だったのかな。
 二人の立場が比較的に対等だからこそ、そんなになるまでやりあえたのだろう。泣かされても権威でおしつぶさないヴィルヘイム一世は偉い。

関連書評
ビスマルク〜ドイツ帝国の建国者 大内宏一
図説ナポレオン政治と戦争〜独裁者が描いた軌跡 松嶌明男
七年戦争・上 吉田成志 文芸社

ドイツ王室一〇〇〇年史 (ビジュアル選書)
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