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近藤重蔵と近藤富蔵〜寛政改革の光と影 谷本晃久

 日本史リブレット人058。
 まだ江戸で消耗しているので候か?
 長崎、蝦夷、そして八丈島で活躍した御家人あがりの旗本、近藤親子の生涯を描いたリブレット。身分性社会の壁に阻まれ、学問の力での上昇を志した重蔵の出世物語は、バッドエンドに終わってしまう。上がふらふらして下である重蔵が振り回される様子には同情を禁じ得ない。
 豊蔵の子女まで斬殺した犯罪行為には、その後の成果を知ってもおののいてしまう。完全にマイナスな状態から、よくぞあそこまでの成果を上げたものだ。

 事件の発端となった江戸富士の話は、大正モダンの少女漫画で知ったところだったので、広がった知識がつながった気がして嬉しかった。
 新しい知識つながりで言えば、近藤家が称した秀郷流藤原氏の藤原秀郷も子供の犯罪行為で中央での出世の道を断たれたらしい……なんの偶然だろうか。

 重蔵が上司の指示で進めていた蝦夷の開発については、江戸幕府が開発を継続的におこなっていた場合のアイヌの人々の運命が気になった。史実より良かったのか、悪かったのか。
 重蔵の姿勢は現代的な視点からは感心できるものじゃなかったようだけど、松前藩に任せつづけるのもなぁ……。

関連書評
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アイヌの世界 瀬川拓郎

近藤重蔵と近藤富蔵―寛政改革の光と影 (日本史リブレット)
近藤重蔵と近藤富蔵―寛政改革の光と影 (日本史リブレット)
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