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中世城郭の縄張と空間〜土の城が語るもの 松岡進

 アマチュア城郭研究家として各地の山を歩き、藪をこいで縄張り図をつくってきた著者による一冊。活動範囲は広く、東北から中国地方まで及んでいる。
 広島県の三次市の調査が、初めてなのに「三次調査」でちょっと混乱した。かわった地名もあるものだ。

 著者が縄張り図にのめり込んでいった様子がわかり、描き方についても、著者なりの要点が記述されている。
 大学の実習で、歩測とコンパスを使って地図を書いたことを思い出した。地形を見分ける目さえ養えば、あの経験を応用して、なんとか描けそう。
 新しく城郭研究者になる人はどれくらいいるのであろうか。あとがきで城郭研究分野の特殊性を語っていただけに気になった。

 最大のテーマになっているのが「杉山城問題」で、関東にあった大変技巧的な城である杉山城の年代問題から、城郭研究の本質的な意義についての問いかけが論じられている。
 表層にある構造物で発掘もできない立場だと年代は手強いが、構造全体をみての分析を著者は大事にしていた。

 アマチュアであり遺構に被害を与えるわけでもないなら「おもしろいから」でも、城郭研究をする十分な理由になるとも思うのだけど、深みにはまっていくと、いろいろ考えさせられてしまうものらしい。
 著者が出会った在野の研究家の列伝的な要素も、本書には観られた。

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中世城郭の縄張と空間: 土の城が語るもの (城を極める)
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