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新漢詩紀行 第1巻 送別・春爛漫・楼上の眺め 石川忠久・監修

 うわ……中国の詩人、左遷されすぎ!!?
 送別の詩がまとめられている影響もあって、詩人たちの左遷されっぷりが印象に残った。宮仕えになっても陰謀渦巻く朝廷で経歴をまっとうすることは非常に難しかったに違いない。
 名詩を生ませるためにあえて左遷にしたなんてことはまさかあるまいなぁ。

 授業のおかげで全文をおぼろげながら覚えていた春眠暁を覚えずの名詩の背後には「科挙に落ちたから遅くまで寝てられるもんね」という酸っぱいブドウ的な強がりがあることを知ってしまった。働いたら負けかなと思っているまで近いところにモウコウネンがたどり着いていた。
 科挙に合格した詩人の喜びを謳う詩も紹介されていて、彼らの非常に人間くさい部分が感じられた。

 超有名な李白が崔顕の黄鶴楼の詩を知って「先輩の詩にはかなわねえっすわ」と別の場所の詩に切り替えたのに、監修の先生に「私は崔顕の方が優れていると思います」と追い打ちを食らっているところも笑って泣ける。

 背景に流れている中国の風景はいまも急速に変化していることだろう。
 しかし、詩のおかげで楼閣が再建されて多くの観光客でにぎわっている事実を知ると、文学のすさまじい力も感じられるのであった。

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新漢詩紀行 ~石川忠久監修~ 10巻BOX [DVD]
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