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フリードリヒ大王〜祖国と寛容 屋敷二郎

 世界史リブレット人055。
 名将の枠には決して収まらない偉大なる啓蒙君主フリードリヒ大王の事績がわかる。七年戦争では首都ベルリンを二回も落とされており、プロイセンが滅亡しなかったことが本当に不思議である。
 ホーエンツォレルン家の歴史についても簡潔にまとめられていて、ユグノーをはじめとした宗教難民を受け入れることで国力を強化してきた歴史が非常に興味深かった。
 メルケル首相のシリア難民受け入れ政策もホーエンツォレルン家の常套手段――成功体験の延長線上にあったものと解釈できそう。

 フリードリヒ大王を取り巻く人々も興味深く、ヴォルテールとの変な交流や軍人王と闘う同志でもあった姉のヴィルヘルミーネとの姉弟愛など見所が多い。
 姉への手紙で父親が死んで王位を受け継げなかったことを残念がるのはさすがに迂闊だと思うぞ。

 外向けの著作と太子向けの著作に矛盾がないなど、フリードリヒ大王は呆れるほど正直な人物であったらしい。せめて内向きに正直でなければ自らに重責を課す啓蒙君主でありつづけられなかったのかもしれない。
カテゴリ:歴史 | 23:32 | comments(0) | trackbacks(0)

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