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セトナ皇子(仮題) 中島敦

 すべてを知っているつもりだったセトナ皇子が、この世の根源的な存在理由を疑問に思ってしまい、深い悩みに囚われてしまう話。劇的な解決もないままに消えていってしまうところが中島敦流。

 この世に存在している理由はないけど、この世が存在しなければ、それを疑問に思うこともできない。だから、疑問に思うことができる「だけ」である。
 そんな答えじゃいけないのかな?

 すべてには何か理由が必要だという前提がセトナ皇子を苦しめている。進化のすべてが適者生存だと思いこむのと同じで、危険な兆候である。
 「意味のある情報」だけを頭の中にため込みすぎたあげくに、意味のない生き方をしてしまった。そう考えると、遠い人物に感じられていたセトナ皇子にも学ぶべき事がある。

 古代エジプトの舞台装置が「雰囲気」を出していた。文字禍といい、目を付ける時代と地域にセンスが満ちている。

青空文庫
中島敦 セトナ皇子(仮題)
カテゴリ:時代・歴史小説 | 16:57 | comments(0) | trackbacks(0)

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