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牛人 中島敦

 さすがはウシ!メタンガスのゲップで地球温暖化を進ませ、世界を滅ぼそうとしている動物に似ているだけの事はある。
 まぁ、叔孫豹には文字通り「身から出た錆」だったかと。状況は異なるが血縁者と言えども生殺与奪の権を与えれば大変なことになる点で「リア王」に通じる内容だった。中国が舞台だし宦官趙高の逸話を連想したほうがいいのかなぁ。
 人間関係のバランスを取ることの大切さを教えてくれる、たぶん。

 叔孫豹が死亡を前にしたときの描写は、エジプトを征服したイスラム帝国の武将アムルが臨終の際に述べた感想「天が大地に迫り、私はその間に横たわり、針の目から息をしているようだ」によく似ていた。
 海外の歴史もあつかう著者だから、実際に参考にしたのかもしれない。

 叔孫豹に引き取られた後の牛人の母親が気になる。

青空文庫
中島敦 牛人

関連書評
アレクサンドリア E・M・フォースター 中野康司・訳:上にあげたアムルの言葉が載っている。
カテゴリ:時代・歴史小説 | 22:59 | comments(0) | trackbacks(0)

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