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太平洋戦跡紀行ガダルカナル 西村誠・湯浅浩司

 太平洋戦争の転換点となったガダルカナル島の戦い。それが昔のことになった現代のガダルカナル島を訪れた著者たちの紀行作品。
 プロのカメラマンが同行して撮っているため写真がきれいで見応えがあった。特にヘリからの空撮写真がうれしい。ただし、地上からの写真はチップを払わなければ撮れないものが多く、場所によっては完全に撮影禁止の場合もあったようだ。できることならグーグルの衛星写真からもチップを取り立ててほしい。

 行ったときのガダルカナル島の人口は7万人だったそうで、その島に日本だけでも最大で三万人が展開したというのだから補給の重要性が想像できる。しかも、当時は今ほど開拓が進んでいなかったわけである。
 中国の戦線とは違っていて当然なのだが、ガダルカナル島の位置すら知らなかった大本営がどこまで理解していたことやら。
 現地の住民が飢餓地獄に巻き込まれることはなく、広い島の内陸に避難していて、戦争が終わるのをじっと待っていたらしいことは救いだった。部族社会とはいえ、緊急時は受け入れてくれたのかな?案外、今の方が縄張りが厳しくなっているのかもしれない。

 空撮写真でよくわかったがガダルカナル島の川は河口付近で地上から消え、砂嘴の中を浸透して海につながっているそうだ。まるで扇状地の上部みたいでなかなか興味深い。こういう地質についても事前にわかっていれば戦いの展開が違っていたことだろう。
 戦記を読んでいると送り込まれた陸上指揮官は熟考せず、いけいけどんどんで突き進みすぎだった。痛い目をみた後の川口支隊長は多少違ったみたいだけど、戦闘の山場でいきなり更迭されてしまい、部隊が混乱してしまっている。
 なんとも拙劣な戦争指導が表れていた……。

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太平洋戦跡紀行 ガダルカナル
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