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文字禍 中島敦

 ゲシュタルト崩壊を経験したアッシリアの老博士ナブ・アヘ・エリバが気づいた文字の恐ろしさとは?
 文字ばかり観ていて本質が見えていない。現代でも――というよりも時代が進めば進むほど良くあることに思われる。ひどい本の虫となった老人が他人とは思えなかった。
 おそろしいおそろしい。

 粘土版に文字を書くメソポタミアだからナブ・アヘ・エリバは圧死する結果になったが、彼がエジプトの学者だったら火のついたパピルスに囲まれて焼死していたのかなぁ。
 重い粘土版を上げ下げする博士や知り合いの老人は意外にもたくましい腕をしていたかもしれない。そう考えたらちょっと楽しくなってきた。

 文字にならなかった歴史は、歴史ではなくなってしまうという意見には、文献研究が強すぎた時代の影響が感じられた。
 文字の精がいかに強力でも、彼らだけが世の中を支配しているわけではない。

関連書評
図説 メソポタミア文明 前川和也
メソポタミアの神話〜神々の友情と冒険 矢島文夫

青空文庫
中島敦 文字禍
カテゴリ:時代・歴史小説 | 12:37 | comments(0) | trackbacks(0)

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