<< スウェーデン〜ナショナルジオグラフィック世界の国 | main | 石ころがうまれた〜ビロード石誕生のひみつ 渡辺一夫 >>

虎狩 中島敦

 主人公(作者と同一人物なのであろうか?作中では「中山」と紹介されている)が朝鮮半島で暮らしていた時代にできた友人、趙大カンと一緒に彼の親が毎年おこなっていた虎狩に行ったお話。
 旧友趙大カンの思い出話集であり、人間がいろいろな側面をもつことを巧みに描き出している。植民地状態の朝鮮で朝鮮族出身者であり、母親は日本人であることなど、趙大カンの出自が特別に人間性を複雑にしている部分もありそうだ。
 しかし、やっぱり彼は中学生であって、複雑さの中にも見えやすさが残っている。国語の先生が伝えたい対象の年代のひとつ下に伝わるように書くといいと指導してくれたものだが、登場人物も若すぎるくらいが分かりやすいのかもしれない。

 ただ分からないことがひとつあって、趙大カンが勢子を蹴り上げたときの発言は日本語だったのか、朝鮮語だったのか。感情のままに発言したなら朝鮮語になりそうだし、わざわざ日本語で口走ったなら友人に聞かせようとの意図が彼の行動には込められていたことになる。
 悪名高い国語のテストでどちらだと思うか。その理由は何か。問題に出してほしいなぁ。

 あと、虎狩で受けたリアルな虎のイメージが、山月記で活用された。そう単純に考えてしまった。

青空文庫
中島敦 虎狩
カテゴリ:文学 | 12:39 | comments(0) | trackbacks(0)

スポンサーサイト

カテゴリ:- | 12:39 | - | -
コメント
コメントする









この記事のトラックバックURL
http://sanasen.jugem.jp/trackback/3069
トラックバック