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かめれおん日記 中島敦

 かめれおんの出番があまりなかったかめれおん日記。現実にも、わずか5日の滞在であった。あるいはその短さに病気によって予感される自らの人生の短さを重ねているのかなぁ。
 そう考えたら、かめれおんらしく色を変えてくれなかった事実が物悲しくなってくる。

 本書は単体でもおもしろいけど、「悟浄歎異―沙門悟浄の手記―」と合わせて読むことで味わいが増してくる。
 著者は悟浄であり、教師の吉田は孫悟空、想像の中に出てきた非武装でいて暴力に屈しない理想の人が三蔵法師と想像できる。生活の中から作品が出てくる様子がわかって、とても興味深い。
 非暴力不服従のガンジーは中島敦より後の時代の人だと気づく。もっとも、実際に彼らの活動をみて、著者が納得したかは分からない。

 吉田の給料活動調査は自分より働いていないと感じられるのに自分より給料が高い人間の存在に怒った時に、対象の給料を下げろではなく自分の給料をあげろと主張したところが立派である。当然といえば当然の方向性なのだけど……。
 本人は「高等小学生的人物」の評価が作中のようなプラスではなくマイナスの意味で受け取られる感じだった。実際、評した人物は多少の皮肉も込めて言ったんじゃないかなぁ。そして、著者はそこまで汲み取りつつも文章にはしない。

青空文庫
中島敦 かめれおん日記
カテゴリ:文学 | 22:32 | comments(0) | trackbacks(0)

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