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輪中と治水 岐阜県博物館友の会

 木曽・長良・揖斐の三河川が流れる地域に分布する輪中の歴史を描いた企画展のブックレット。
 輪中が堤防で囲まれた地域にとどまらず、ひとつの政治単位であったことを強く主張している。確かに輪中のありかたが、まるで同じ船に乗り合わせたように運命共同体意識を強めたことが想像できる。
 が、輪中の中でも対立があったりして、治水に功績のあった人物が調停に奔走したエピソードなども紹介されていた。

 輪中地域の水害には人災的な面もあって、尾張藩側の堤防が極端に強化されたために、美濃側に水害が頻発するようになったようだ(表に出てきた治水協会の登録者1位が岐阜県人なのに対して、愛知県人は5位までに入ってきていない)。さらに条件が悪い土地にまで開発が進んだこと、上流での山林の伐採などの複合的な要因によって水害が増えている。
 最後の山林の問題は、人工林の管理ができなくなってきている現状を考えると、新しい水害の原因になるかもしれない。そのときにデレーケらの水害対策が見直されるのではないか。

 有名な薩摩藩のお手伝普請が揖斐川流域の住民には利益があったものの、長良川流域の住民には被害の増大につながったことは、薩摩藩士の犠牲を知っているだけにショックだった。収録されたグラフは治水工事完工後も水害の発生数は横ばいである。
 自然を制御しようと実績を作った一点だけでも無意味ではないけれど、やはり自然は手強いということだな。

関連書評
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