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兵と農の分離 吉田ゆり子 日本史リブレット84

 タイトルからそんなものはなかったと言われる戦国時代の兵農分離を連想してしまうが、本書であつかっているのは戦国時代から江戸時代にかけて起こった武士と百姓の身分的な分離である。
「士と農の分離」と表現した方が伝わりやすいかもしれない。

 信濃で武田氏につかえた波合備前をとっかかりに、武士になったり、地主になったりと、分かれていった彼の子孫を追う。
 他にも信濃の「元郷主の名主」と「地下(義務を負った農民)」の関係の例をいくつか取り挙げている。

 福島村での名主に対する地下の権利要求活動(義務撤廃活動と言うべきか)では、農民たちが一丸となって活動している。草切と呼ばれる身分の人々のために、他の立場の農民たちも協力している様子に感動した。
 そういう環境を作れたから既得権益に抵抗できたのであって、体制をつくれなかった地域では旧来の関係が維持された可能性もある。
 こういう民衆運動の例は現代においても、もっと注目されるべきかもしれない。

 最初に出てきた波合備前の家系図を著者がまとめているが、討死が多すぎて恐怖を覚えた。あの惨状でよくお家をつなげることができたなぁ。

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兵と農の分離 (日本史リブレット)
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