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つじつまを合わせたがる脳 横澤一彦 岩波科学ライブラリー257

 人間の脳はいろいろな感覚情報を統合する過程で、つじつま合わせを行っている。そのために事実とは異なる感覚を抱く事例を中心に、脳の不思議が語られている。
 章ごとに錯視図形が飾られている点も象徴的である。

 刺激の情報と視覚情報の組み合わせによって、ラバーハンドを自分の手と錯覚する「ラバーハンド錯覚」はおもしろい現象だ。バーチャルリアリティ技術への応用効果も高そうである。
 痛みを与える実験は倫理的な問題が大きいと説明していたが、一部の軍隊では逆に現実の危害をくわえずに痛みを錯覚させて尋問する研究をしていそうだと思ってしまった……。

 人が確率が非常に小さい現象を見落としてしまいやすい問題では、手荷物検査の人や校正の人と一般人の比較が行われている。持続する集中力の偉大さを思い知る。
 よく棋士に研究協力してもらうことがニュースになるけれど、手荷物検査や校正の人も同じように活躍していると知ることができた。

 斜め前方、やや上からの「典型的な見え」を人が好む問題については、三面図を描いている自分は平均からずれてきている。斜めの情報では寸法を得られないので、斜め一枚よりも、二方向二枚の情報を好ましいと感じる。

 日本人とアメリカ人では色の好みに関して、違いが生じる実験も興味深かった。日本人は色から抽象的な概念も連想するので違ってくると聞いて、アメリカ人は色から抽象的な概念を連想しないのかと驚いた。
 平均しての問題だろうから、注意は必要かなぁ。


 あと、ネットで話題になった青と黒、白と金のドレスが、ブランドのラインナップから本当は青と黒らしいことを知ることができた。

関連書評
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つじつまを合わせたがる脳 (岩波科学ライブラリー)
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