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海に生きた弥生人〜三浦半島の海蝕洞穴遺跡 中村勉

 遺跡を学ぶシリーズの118。
 弥生時代の一般的なイメージとは一線をかくする存在。三浦半島の海に資源を求めた人々の生活が洞穴遺跡から見えてくる。
 ただし、縄文時代以前の岩陰みたいに生活の場となっていたのではなく、洞穴は一時的な作業の場として繰り返し使われてきたらしい。そして、最終的には葬儀の場となる。

 大浦山洞穴の激しく損傷した骨が怖かった。いったい何が起こったのか、分からないままであることが余計に恐怖をかき立てる。カニバリズムの痕跡だとすれば、飢餓が原因だったのか。それとも呪術的な意味があったのか。
 古代の人々とはいえ、尋常な精神状態ではなかった感じがする。

 内陸の遺跡と洞穴を結びつけて考えていることも重要で、巨大な遺跡からは海人の安定した勢力が感じられる。
 古墳時代の展開まで追っていて、海人と中央や農耕民とのやりとりが何となくイメージできた。
 三浦半島には遙か後世の戦国時代になっても水軍が拠点としていたし、現代ですら海軍(海上自衛隊)の基地があることは偶然とは思えない。場の持つ力が持続している。

新泉社 遺跡を学ぶシリーズ感想記事一覧

海に生きた弥生人 三浦半島の海蝕洞穴遺跡 (シリーズ「遺跡を学ぶ」118)
海に生きた弥生人 三浦半島の海蝕洞穴遺跡 (シリーズ「遺跡を学ぶ」118)
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