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文庫版ローマ人の物語27すべての道はローマに通ず上

 ローマ人のインフラストラクチャーについて語った巻の前半部分。道と橋について語られている。
 ローマ街道のすごさをこれでもかと訴え、19世紀になるまで移動速度でローマ街道を超えるものはなかったと説明している。イタリアの地方勢力であった時代からローマ街道の基本が完成していたことが凄い。話は逆で、ローマ街道があったからこそイタリアの地方勢力にとどまらない地中海帝国を築けたのかもしれない。
 仮にイタリアだけの存在に終わったとしても、見事な街道をつくった古代の国家があったと、後世の歴史家の話題になっていただろうなぁ。今の道路に埋め込まれて調査できていない可能性も?

 ローマ街道は軍隊の移動に便利だが、敵味方を区別しないわけで、ハンニバル戦争でハンニバルが利用したことについて、もうちょっと説明してほしかった。蛮族がドナウ戦線からローマまでローマ街道で一気に来てしまうという話はあったが。

 中国(著者はシナと書く)では同じ労力で万里の長城を造っていると説明していたが、甬道のことも説明しないとアンフェアだと思った。
 皇帝専用だから行幸の前に通れることを確認すれば、ローマ街道得意の複線化は必要ない点でやっぱり違ってはいるのだが。
 あと、中国は運河の開発も活発だった。

 ローマと中国、どちらが長続きしたと考えるべきなのか、視点によって変わってくる。万里の長城のおかげで漢民族のアイデンティティが現在まで続いているとは言えるかもしれない。

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ローマ人の物語〈27〉すべての道はローマに通ず〈上〉 (新潮文庫)
ローマ人の物語〈27〉すべての道はローマに通ず〈上〉 (新潮文庫)
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