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はしかの脅威と驚異 山内一也 岩波科学ライブラリー265

 江戸時代の鎖国が偶然プラスに働いたため、日本では甘くみられがちな風疹。だが、やはり恐ろしい病気であること――そして可能性をもった病気でもあることを描き出す本。

 フェロー諸島やグリーンランドの例が、病気の伝染にとって多くの情報を残してくれていることが興味深い。
 離島が社会全体に与えてくれる利益の一種といえるかもしれない。

 フィジーでは恐ろしい流行になってしまったが……日本の古代に布告された風疹対策の方が、近代のフィジーで行われた対応よりも有効で驚いた。
 昔であっても人間は病気に対して完全に無力ではないと思えた。少なくとも人間社会は無力ではない。

 風疹対策に大きな功績を残したアメリカの研究者エンダース氏が、細かいところまで配慮が行き届いていて立派だった。
 小船富美夫氏はノーベル賞も狙える発見をしていると思ったのだけど、残念ながら既に他界されていた。
 本書は風疹と戦った研究者たちの記録でもあった。

関連書評
[図説]アメリカ先住民 戦いの歴史 クリス・マクナブ/増井志津代/角敦子

はしかの脅威と驚異 (岩波科学ライブラリー)
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