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近世商人と市場 原直史 日本史リブレット88

 近世の農業にとって重要な肥料であった干鰯。その取引を行っていた江戸と大坂の市場について江戸時代の変遷を追うリブレット。
 干鰯は換金作物に使われることが多い関係で、当初は江戸から大坂に出荷されて流通していたものが、やがては江戸周辺でも利用されるように変化してくる。
 あるいは藩が問屋を通さず直接領内に買い付けようと動き出す。そのことから生まれる綱引きが興味深い。権力相手には一丸となって行動した方が有利であるが、市場内部でもいろいろな対立があってまとめるのも簡単ではない。
 それでも利益という共通目標があるから、商人たちは何とか動きつづけるのであった。

 江戸の市場では同じ店が仕入れた干鰯を、同じ店が買う場合でも市場を通して買い付けの手続きが必要になっている事情がおもしろかった。
 現代では非効率と言われそうであるが、それが同時に中間を廃するために行われているのである。大坂と江戸、東浦賀、どの市場が生産者や消費者にとっては良い市場だったのかな?
 答えはどんな市場でも複数ある方が交渉余地が残って良い市場ということに落ち着きそうだ。

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近世商人と市場 (日本史リブレット)
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