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古墳時代の南九州の雄〜西都原古墳群 東憲章

 シリーズ「遺跡を学ぶ」121
 畿内や群馬に負けない古墳群が南九州にも存在した。「原(ばる)」と呼ばれる台地上に複数の首長が古墳を造営し続けたことで生まれた古墳群。その中でも最大規模の西都原古墳群が紹介されている。
 大正12年に発掘調査がおこなわれていて研究の歴史も長いのだが、古墳を「自然のままに」放置していた時代もあったりして、調査されているのは1割程度らしい。
 陵墓参考地にされている二つの大型古墳についても、限定的ながら調査が行われていることが興味深い。全国の陵墓について、同じレベルの調査が行えれば……と夢見てしまった。

 内容はそれぞれの古墳を小群ごとに紹介していって無理に結論を導き出したりはしなかった。最大規模の古墳が時代ごとに南九州の地域を移動していることの意味は気になる。著者のいうように持ち回りや対北九州での優遇があったのか。
 また、この地に特徴的な地下式横穴墓には王クラスの被葬者もいたとのことで、ピラミッドから王家の谷への埋葬に変化したエジプトの葬礼を少しだけ連想した。

 古墳時代を感じさせるすぐれた景観を維持しつつ発掘調査をつづけていってほしいものだ。

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古墳時代の南九州の雄 西都原古墳群 (シリーズ「遺跡を学ぶ」121)
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