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普及版 腐食事例解析と腐食診断法 石原只雄 監修

 主に第二次産業の現場を悩ませる腐食について現象や事例を詳しく説明した専門書。36000円は自分が読んだ中でも最高値の本だと思う。
 いろいろな業界の人が腐食の問題に取り組んでいて、腐食をおこしている例も鉄にとどまらず青銅やアルミニウムなどの非鉄金属、コンクリートにまで及んでいる。
 腐食の原因も高温からサンやアルカリなど多岐にわたり、複合していることも多いので、この問題が一筋縄ではいかないことがよく分かる。
 しかし、ガスタービンや原子力などお金をもっている分野が先陣を切っていろいろ研究してくれており、スピンアウトが期待できる感じだ。珍しいところでは地熱発電や考古学における腐食事例もとりあげられていた。 後者は非常に長い年月を経験したサンプルを得られる点で、単純に特殊あつかいできない。そういえばインドの鉄柱についての風化の研究を紹介している本もあったことを思い出した。内容的には普通の腐食対策とは違って、出土品を保存する目的での腐食対策のあり方を追求するものになっていて、工業の役にはあまり立たないかもしれないが興味深かった。

 あとは海岸などでの塩分による腐食事例が目立つ。海中よりも潮位線の上下の負傷が激しいことは覚えておきたい。また融雪剤によって内陸部でも塩分が多い環境になってしまっているらしい。橋梁腐食の話もあったが、そのあたりで数十年後には融雪剤の影響が大問題になっている可能性がある。

関連書評
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普及版 腐食事例解析と腐食診断法: The Current Issue Case Histories in Corrosion Failures Analysis and Corrosion Diagnostics
普及版 腐食事例解析と腐食診断法: The Current Issue Case Histories in Corrosion Failures Analysis and Corrosion Diagnostics
カテゴリ:工学 | 23:31 | comments(0) | trackbacks(0)

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