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日本の動物はいつどこからきたのか〜動物地理学の挑戦

 京都大学総合博物館・編。岩波科学ライブラリー109。
 13人の研究者による謎解きゲーム!日本の動物の分布に関する興味深い研究をそれぞれの得意分野で紹介してくれている。爬虫類から昆虫、魚類までいろいろな動物の分布が出てくるが、鳥類はさすがに出てこなかった。飛んで移動できる鳥類の優位が、この手の研究において鳥類が出てこないことで印象的になる。
 海はつながっていると単純に考えやすい魚類は逆に研究の対象として興味深いものがあった。黒潮は移動のためのベルトコンベアーだけではなく、障壁としても作用するらしい。
 それにしても北方種と南方種の大分類をつくった田中茂穂が偉大すぎる。貝類の採集を後押しした平瀬与一郎も貝類業界のエンリケ航海王子的だ。
 ただし、渡瀬線を生んだ渡瀬庄三郎は――本書の内部では言及されなかったけれど――沖縄へのマングースもちこみでギルティ。大変なことをしでかしてしまったことが、小笠原諸島の陸貝類の深刻な状況などから理解できる。
 より狭い生息範囲から来ておきながら伊豆半島での分布をキープしているオカダトカゲは特異な例である。
 生きられる種の数が限られる小さな島では変化が急速に進む場合があるとの知見もおもしろかった。

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日本の動物はいつどこからきたのか 動物地理学の挑戦 (岩波科学ライブラリー)
日本の動物はいつどこからきたのか 動物地理学の挑戦 (岩波科学ライブラリー)
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