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第二次オホーツク海戦 谷甲州

 カムチャッカ半島に逼塞していたロシア極東艦隊とアメリカからの兵器輸送船団が、砕氷船の支援を受けて動き出す。スターリン級砕氷船は北極海経由でやってきたのだろう。その旅路の過酷さを思うとロシア人ながら尊敬せざるをえない。まぁ、環境に即していない装備を与えられて戦っている日本海軍の方が勇敢とも言える――半分は人災みたいなものだが。
 造船に関する技術士官の会話は、当時の問題だけではなく、現在の韓国に抜かれた日本の造船についても苦言を呈しているような気がした。所帯がでかいと革新に関しては不利になりがち、旧海軍の場合は過大な艦隊に維持費を食われすぎ、というのもあるけど。

 極限状態での戦闘はまるでシャクルトンやアムンゼンの冒険をみるようで、よく殺しあう余裕があるなぁ、という谷甲州作品で頻出の感想を抱いた。ある意味、彼らは殺し合いをすることで、人間が自然に対して究極的なアドバンテージをもっていることを誇示しているのかもしれない。
 気持ちの良い話じゃないけれど、沼風乗組員に対する尊敬は決して損なわれるものではない。

 三川軍一艦長の行動は明らかに第一次ソロモン海海戦をトレースしている。未来をトレースするのも変だけれど、まだ彼でよかった。これが栗田トレースだったら切歯扼腕する人物が何人にのぼることか。
 キーロフ級重巡洋艦二隻を失ったソ連軍の消耗は無視できないレベルだと思うのだが、ここでアメリカとの連絡を絶やすことはその後の展開に致命傷だ。粛清か、再構築か。
 日本海軍にとっては特殊な戦場を含めて戦訓をえられるまたとない機会になったわけで、歴史改変の巧みさを感じる。

オホーツク海戦―覇者の戦塵
オホーツク海戦―覇者の戦塵
谷 甲州
カテゴリ:架空戦記小説 | 12:11 | comments(0) | trackbacks(0)

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