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オオグソクムシの本 森山徹 青土社

 オオグソクムシパーフェクトガイドブック!?
 いまをときめくオオグソクムシについて「無駄にマニアック」な内容をおさめた無駄にマニアックな本。著者の専門が比較心理学であることを知って最後まで驚かされた。
 オオグソクムシの身体に関する専門的な記述はなかなか手強いものがあったけれど、最後の方の最新研究はとてもおもしろかった。

 著者の想像する「オオグソクムシ村」が存在するとすれば、とても興味深い。オオグソクムシまで村社会を築いているなんて、おそろしいおそろしいとも言えるが……オオグソクムシ村八分なんてされたら餓死してしまう。十年くらい後に。
 集団同士の交点は「鯨骨」になるはずで、そこでは村同士の若者が新しい血を集団に入れるための村祭りを開催しているのかもしれない。
 オオグソクムシ、深い!

 オオグソクムシの能力を探っていくためには、自然とオオグソクムシの生態を追い求めていかなければならないところが面白かった。
 でも、心理学の素材として本当に適しているのかなぁ……行動がよくわかっていて観察しやすい地上の生き物の方が?
 まぁ、真ん中でまっぷたつにしても数時間生きて活動するところを追いかけられるのは確かに凄い。あるいはおぞましいのだけど、最近の実験動物は蛍光タンパク質に透明化で観察しやすさがあがってきているから、オオグソクムシがリードを手放す日も来てしまうのかもしれない。
 そうならないためにも生態研究がどんどん進展する必要があるわけで、いわば車の両輪だな。

 グソクムシの文字がゲシュタルト崩壊していく中で、ダイオウグソクムシ(大王具足虫)のせいでオオグソクムシ(大具足虫)をオウグソクムシ(王具足虫)だと勘違いしている人がいそうだと思った。
 コウテイグソクムシにすれば良かったのに……そのネーミングはまだみぬグソクムシの超巨大種のために取っておかれていると考えよう。インド洋と西太平洋での深海探査進展に期待。西太平洋は本来日本が先頭切って探査するべきだが……上皇の御趣味で予算がとれないものか。

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深海散歩〜極限世界のへんてこ生きもの 藤倉克則

オオグソクムシの本
オオグソクムシの本
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