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覇龍の戦録2巻〜智将の手練手管 林譲治

 第二石油の採用によって水中高速型潜水艦の大量配備に成功した日本海軍と、それに当時の技術ながら何とか対応するだけの国力のあるアメリカのバッテリー型水中高速潜水艦の対決!第二次世界対戦レベルで沈黙の艦隊がキマっているのは非常に珍しい。それがやりたいがために第二石油をもちだしたのかもしれない。
 まぁ、水中高速潜水艦はジェット戦闘機に匹敵するところがあって、原理をどうするかで紆余曲折があった事でも似ている――ロケットかジェットか、ワルターかバッテリーか原子力か。
 その最終結論にいきなりジャンプで辿り着いてしまったこの作品の「罪」は深いけれど、日本の異常な戦力によって惨劇を覆すことができるなら罪滅ぼしにはなるだろう。

 それでもいまいち使い出がないことになっている4戦艦を、ていのよいサクリファイスにしてしまうのはなぁ……大を生かすために殺される小が目立つのもこのシリーズの特徴かもしれない。


 あと1巻の主人公はあえていえば山本五十六であったのに、この巻で井上成美にきりかわっている。栗田健男を活躍させた林先生の事だ、いわんや井上成美をや、だがここまでトリックスターに化けさせてしまっているのは稀かもしれない。
 人としての悪が、軍組織の長としての善になってしまう恐怖を私は見る。

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連合艦隊秘史 覇龍の戦録〈2〉智将の手練手管
林 譲治
カテゴリ:架空戦記小説 | 10:58 | comments(0) | trackbacks(0)

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