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覇龍の戦録4巻〜南海の駆け引き 林譲治

「架空戦記小説の皮を被ったSFめ…物理法則を裏切る勇気があるか?」
「いいともッ!!低温核融合機関はどうだッ!!?」
「やってみろよ山師!!!」
「五十六――ッ!!!」
「お待ちなさいッ!!!」
「佐々木教授ッ!!」「佐々木教授だッ!!」

 ついに電気砲まで本格的に出てきてしまった……それにしてもこの小説家ノリノリである。装甲艦大和のゲルリッヒ砲も悲惨に強烈だったが、主砲より威力が上で一発限りの副砲なんて――ティルピッツに魚雷発射管がついているようなものと解釈すれば戦術的に評価する余地はあるか。
 伊25の電気砲も砲弾は通常とは異なるものを使っていなかったのかな。米軍が精密なスペースシャトルを復元するような作業を行えば、通常の砲ではないことがバレる可能性はなきにしもあらず。
 まぁ、大和のそれと違って並の砲に毛が生えたような性能だから深く追求されることはなく、砲撃されたという事実の前に些事など吹っ飛んでしまうのだろう。

 オーエンスタンレー越え侵攻はぎりぎりまで敵の兵站線をひきのばしてから反撃に出る教科書的ともいえるオーストラリア軍の戦術に、むざむざと引っ掛かり前進して喜んでいる日本陸軍の神経が凄い。史実でも中国大陸でもそうだったけど、何かがおかしい気がする。
 ドイツ軍ではなくロシア侵攻で痛い目にあったフランス軍に陸軍が師事しつづけていたら補給線の問題もちょっとは解決されたかもしれない。別のより大きな問題が続出しそうな気はするが。
 最後の状況がぐつぐつ煮詰まっていく高熱感と、恒例の司令部漫才により意外とまったりした解決が与えられた安心感が楽しく。井上GF長官の「国家間の関係にはね、不思議でないことなど何もないのだよ」とレイトン参謀長の「長官、国家関係において、不思議なことなど何もないのですよ」の二重衝撃が心地よい。正反対なのにどっちも説得力が横溢している。

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連合艦隊秘史 覇龍の戦録〈4〉南海の駆け引き
林 譲治
カテゴリ:架空戦記小説 | 12:05 | comments(0) | trackbacks(0)

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